和歌山県白浜町久木
Road Map :R42から日置川沿いの県道37号線を北上し、久木橋
手前から林道に入る。
Route Map:今回は作業中であり、車で林道には入れなかった。
『日本の滝百選』 滝壺から見る ”八草の滝”は展望所から見た滝とは別物の様に見えた。
ウィキペディアから
滝は、日置川峡の近くにある直瀑で品瀬川滝とも呼ばれてきた。
かつては熊野街道の脇道として人々が滝の下を通っていたという。
八草の滝(はそのたき)
道標の一つでもあれば、今回の様な道間違いは無かったと思うが、日本の滝百選に選ばれているのに冷たい扱いを受けている感じがした。 滝見所からの遠望では大した滝には見えなかったが、滝壺付近から見た姿は岩肌も含めて圧巻であり、いつまでも見ていたい滝だった。
一の滝
滝音は聞こえたが、滝姿は沢に下りて沢歩きをしないと見られない様だった。
〔068〕八草の滝 (落差45m)
紀伊半島の百名瀑を巡りたく、早朝の3時半に自宅を出発し、一路
R42を白浜までひた走る。林道入口である久木橋は直ぐに見付けることが出来たが、間違った散策道を遡上してしまい、迷走1時間14分で ”八草の滝”を諦めて車に戻り、次の滝へ移動するが、後ろ髪を引かれここまで来て諦めては行けないと駐車地に戻り、再チャレンジをすることにした。
はそのたき
県道37号線を日置川沿いに北上して行くと久木橋がある。
そこが短い林道の入口となっている。
滝を見るには遠望過ぎて、滝が落ちていることは判るが滝姿の状態は
判らない。しかも滝の下流には日置川に流れる沢が見当たらない。
日置川を挟んで反対側の県道37号線沿いに”八草の滝”の
標識があり、対岸の谷間に”八草の滝”を望むことが出来た。
日置川に架かる久木橋の手前から短い林道に入る。
林道に入って林道の終点で駐車すべきなのだが、林道入口には
大きな重機が停まっていて、しかたなく近くの道路脇に駐車して
7時10分に歩き始める。
林道上には崖の上で伐採されたヒノキが山積みされており、
通り抜けるのに難儀する。 今日は作業は休みなのか? 誰も居ない。
林道にはショベルカーが停まっていたが、作業員の姿は無く
作業はしていない様なので林道を通り抜ける。
林道は直ぐに終点となり、県道に車を停めても大した損失はなかった。林道から散策道に入って行く。
作業が無ければここを車で走れた林道を歩く。
手掘りと思われる短いトンネル(石門)を通り抜ける。
雰囲気の良い道であるが、日置川側は垂直の崖となっている。
周辺の崖には石板を積み重ねた様な奇異な岩盤が多い。
道は沢にぶち当たり、沢沿いの道を遡上方向に進む。
崖から5m程の無名滝が流れ落ちていた。
散策道をどんどん進んでみるが ”八草の滝”の姿は現れない。
この道でなければどこを探せば良いのか? 検討が付かないので
かつては対岸への橋が架かっていたと思われる地点で引返す。
沢に下りる道もあり、沢にはピンクのテープが点々とあったので、
沢歩きが必要なのかも知れないが、それは滝の姿を確認してから
とする。 小さな滝の上流側からは大きな沢音が聞こえてくるが、
樹木で隔たれており滝なのか沢なのかは確認出来なかった。
後日に判ったことであるが、その沢音は ”一の滝”のものだった。
9時40分に駐車地から再度歩き始める。 どうも最初の沢は
間違いで次の沢まで行く必要がありそうだ。 それなら展望所に
見た位置関係が成り立ちそうだ。
”八草の滝”へ行くのは諦めて駐車地に引き返す。 1時間14分を
滝探しの無駄な時間についやしてしまい、車で次の滝に向かって走り
出したが、ここまで来てここで諦めるのは早過ぎると思い直して、
再び駐車地に戻り、再度滝探しを始める。
適当な倒木があり長靴を濡らす程度で左岸に渡ることが出来た。
先ほど、道間違いの元になった沢にぶち当たり、この沢を越えることに
した。 長靴は履いて来たが、沢水の流れが強いので倒木を伝って渡渉することにした。
土石で埋まり道としての形跡は残っておらず、
崩れ易いので通り抜けるのに時間が掛かった。
渡渉してみと散策道が伸びていた。 しかし散策道は雨水での
土砂崩れと思われるガレで路面が埋め尽くされていた。
岩盤道になるとホッとするが、ここにはクサリもロープも
付いておらず、足を滑らせると即転落のヤバい道だった。
足を滑らせると崖下まで滑落してしまうヤバい道が続く。
倒木の多い橋を渡るが、橋の下にも沢水は流れていなかった。
二つ目の沢に着くと展望所から見た通りに沢水が流れていない。
これでは滝水の量が期待出来ないのかと思ったが、滝水は伏流水
となって沢床に吸い込まれている様だった。
32分にて落差45mの ”八草の滝”に着く。 ガイド本には直瀑、落差22mと
なっていたが、明らかに段瀑であり、落差も45mは優にある様に見えた。
丁度、虹が出来て透明度の高い滝壺の水と相まって綺麗な姿を見せてくれた。
流石に ”日本の滝百選”に選ばれている
ことはある。
周辺の崖でも見られた石板を積み重ねた様な岩盤が味のある滝姿となっていた。
滝壺には沢山の水が溜まっているが、ここから流れ出した水は直ぐに伏流水となり消えて行く。
道標の無さと一つ目の沢の崩壊で、ここに辿り着くのに困難があったが、
この場に立ち見ることが出来て良かったの感想である。
山の標高は1m単位で正確に測量されているが、滝の落差は10m単位での間違いが多く、国土地理院の
測量の対象にはなっていないのだろう。 せめて日本の滝百選だけでも正確な落差が欲しい所だ。
滝の専門書に直瀑と書かれているが、どう見ても段瀑であった。 滝姿の分類別けにも難し所がありそうだ。
滝までの道が全てこの状態なら滝見に20分も掛からないだろう。
くさり、ロープが無く危なかった所。
土砂の堆積した道はキケンなので河原を歩く方が楽かも知れない。
道が続いていたと言うことは最初の沢に橋が架かっていたのかも知れない。何があったのかは判らないが、崩壊と倒木が重なってしまている。
この倒木を利用して沢を渡ることが出来た。
迷走時間:1時間14分(道間違い時間)
往路:32分
復路:29分
散策時間:1時間20分
'16年紀伊半島の滝巡り(太字は日本の滝百選)